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ラバーが9288円する未来に僕らは生きている

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tenagi

昔卓球をやっていて、最近復帰した人にとって衝撃的な出来事と言えば、ラバーの全体的な値上げだろう。

ekuri

僕らが中学生のころ、高級ラバーの先駆けとなったのはバタフライ「エクリプス」だった。

スポンジ部分が黄色かった今迄のラバーとは違い、何やら異彩を放つ紫色のスポンジ。
当時全盛だったスレイバーのスピード10、スピン8という数値より、スピードはそのままの10、スピンはそれより0.25高い「8.25」という、当時としては高スピン性能を持った一枚だった。

当時、2800円だったスレイバーに対し「3000円」という、大台超えの値段に、中学生たちの胸は高鳴ったものである(が、いつの間にか廃盤)。

taki

数年後、同じ3000円の「タキファイアD」というラバーが発売。スピード9、スピン9.25という当時としては破格の高性能で、それまでタキネスドライブ(スピード8.5 スピン9)かチョップ(スピード6.5、スピン10)を使っていた人が、流れたと聞く。

当時はこの3000円(税込だと3090円)という価格でも、憧れの最高級ラバーという立ち位置で君臨していた。

brice

しかし、1997年7月、一枚の革命的ラバーがこれまたバタフライから登場する。
ラバーにテンション(緊張状態)をかけた、簡単に言うと弾む接着剤をはじめから塗ったような効果があるテンション系ラバーの先駆け「ブライス」である。

値段はなんと5000円。当時の税込で5250円。
「なんか凄いらしい、でも高くて母ちゃんに怒られる、でも、買わなきゃ勝てないかもしれない…」

良いモノを使わなければ、負ける!という子供たちの強迫観念をついた値段設定に、根負けした母と息子の財布から新渡戸稲造(当時)がスイスイ抜き出される事となった。

私はブライスが出た直後くらいに一旦卓球をやめてしまったので、
ブライス狂騒曲の詳しい話は知らない。

tenagi

さらに、2007年9月1日に発売されたのがブライススピード、ついに値段は税込6300円)に。 2008年4月21日に同じ税込6300円のテナジーが発売され、大ヒット。

そして・・・卓球プレイヤーの財布を揺るがした「テナジーの大幅値上げ」が敢行。
定価にあたる参考価格で9288円!なんと9288円!

世界の子どもへワクチンを1326本寄付できる金額だ。
出典:Amazon

「卓球は金の掛からないスポーツ」と言われて来たが、とうとうゴルフに手が届くほどの金のかかるスポーツになってきた。

現在あまりの値上がりぶりに「ポストテナジー」を探す動きも加速しているが、それらもテナジーなどが火をつけた”価格高騰競争”で5000~6000円する。

私は、良い物はそれ相応の高い値段で売って良いと思うし、売れるべきだと思う。

しかし、テナジーはすでに余暇を楽しむアイテムとしてのレベルを外れてしまったと思うので、残念ながら私はテナジーは使わない。せいぜい4000~5000円、実売4000円までのラバーの中で、自分に合う性能の良いラバーを選ぼうと思う。

ただし、テナジーはこれからも売れていくだろう。
理由は高いから。
人間は多くが高さの分だけ、性能があると思う生き物なので、
ラバー界のグッチ・ティファニー的な扱いで君臨していくだろう。

yuyake

「20年後は、ラバーが9288円になってるさ」
と卓球部のみんなに言ったら、確実に笑われただろう。

でも僕らは、そのラバーが9288円になった未来に生きている。

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